気管支喘息について
気管支喘息とは?
気管支喘息は、主にアレルギーや気道感染による慢性炎症が原因で様々な刺激に対して敏感になる慢性疾患です。
空気の通り道が細くなって、咳が止まらなくなったり、喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒューという呼吸音)がしたり、息が吸いにくくなる病気です。
夜間や早朝に症状が悪化することが多く、季節の変わり目や運動時にも発作が起こりやすい傾向があります。
子供はアレルギーが関与している「アトピー型」が多く、約10%の方に発症しますが、半数以上は思春期までに改善します。
一方、大人は「アトピー型」が60%、「非アトピー型」が40%あり、なかなか治らないという特徴があります。
気道が細くなっても適切な治療を行なって炎症が落ち着けば元に戻りますが、年単位で放っておくと気道が厚くなって硬くなり、狭くなって元に戻らなくなります。
息苦しさや咳があったり、呼吸で心配なことがあれば、早めに受診することをお勧めします。
症状
咳
乾いた咳や痰が出る咳などが特徴です。
特に夜間や早朝に悪化することが多く、数週間続くこともあります。
痰
無色透明のサラサラとした痰や、白色や黄色っぽい粘りのある痰が出ることもあります。
息切れ
呼吸が苦しくなり、会話が困難になることもあります。
喘鳴
息を吐くときにゼイゼイ・ヒューヒューという音が聞こえます。
胸苦しさ
胸が締め付けられるような感覚や、圧迫感を感じることもあります。
原因
気管支喘息の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
遺伝的な要因
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の家族歴がある場合、気管支喘息を発症しやすいことが分かっています。
環境的な要因
アレルゲン
ダニ、ハウスダスト、カビ、花粉、ペットの毛、食べ物など、様々なアレルゲンが気管支喘息の発作を誘発することがあります。
感染症
ウイルスや細菌などの感染症が気管支喘息の発作を誘発することがあります。
大気汚染
排気ガスや工場排煙などの大気汚染物質が気管支を刺激し、発作を誘発することがあります。
運動
激しい運動が気管支を刺激し、発作を誘発することがあります。
ストレス
強いストレスが気管支を刺激し、発作を誘発することがあります。
冷え
寒気や冷房などの冷えが気管支を刺激し、発作を誘発することがあります。
種類
気管支喘息は、いくつかの種類に分類されます。
アレルギー性気管支喘息
最も一般的なタイプで、アレルゲンが原因で発作が起こります。
非アレルギー性気管支喘息
アレルゲン以外の原因で発作が起こります。
混合型気管支喘息
アレルギー性と非アレルギー性の両方の原因で発作が起こります。
診断
診断するのに重要なのは問診で、診断には個々の状況を見ながら、以下の検査を行うことがあります。
- 胸部レントゲン
- 呼吸機能検査
- 呼気一酸化窒素濃度(FeNO)検査
- 血液検査
- 胸部CT
治療法
気管支喘息の治療法は、症状や重症度によって異なりますが、主に以下の2つの方法があります。
吸入療法
ステロイド薬や気管支拡張薬などの薬剤を吸入することで、気道炎症を抑え、気管支を広げて発作を予防・改善します。
内服薬
ステロイド薬や抗ロイコトリエン薬などの薬剤を内服することで、気道炎症を抑え、発作を予防・改善します。
その他
アレルゲン回避
アレルゲンをできるだけ避けることで、発作を予防することができます。
禁煙
喫煙は気管支を刺激し、発作を悪化させるため、禁煙することが重要です。
運動習慣
適度な運動は、肺機能を改善し、発作を予防する効果があります。
ストレス管理
ストレスを溜めないように、リラックスできる方法を見つけることが大切です。
喘息発作
また健常な人と比べて気道(空気の通り道)が敏感になっており、風邪やホコリなどの刺激が加わると、さらに気道が細くなって息苦しくなります。
これを「喘息発作」といって、以下のようないくつかの誘因がありますので気をつけるようにしましょう。
- 風邪
- 喫煙
- アルコール
- ストレス
- 寒暖の差
- 運動
- 月経
- 薬(解熱鎮痛剤:アスピリン喘息など)
日常生活の注意点
気管支喘息を患っても、適切な治療と日常生活の管理によって症状をコントロールし、日常生活を送ることが可能です。
自分の喘息を理解する
自分の喘息の症状や誘発因子を理解することが大切です。
医師の指示を守る
医師の指示通りに薬を服用し、定期的に診察を受けることが大切です。
生活習慣を改善する
禁煙、適度な運動、ストレス管理など、生活習慣を改善することで、発作を予防することができます。
発作時の対処法を身につける
発作が起こった時の対処法を身につけておくことが大切です。