自然気胸
1.自然気胸とは?
自然気胸は、肺の表面に穴が開いて空気が漏れ、肺が萎んでしまう病気です。症状としては、胸痛や呼吸困難などが挙げられます。放置すると肺の機能が損なわれたり、命に関わることもあるため、早期発見・早期治療が重要です。
比較的若い世代に多く発症しますが、高齢者でも起こります。
2.自然気胸の症状
自然気胸の主な症状は以下の通りです。
- 胸痛:突然起こる鋭い痛みや、息を吸ったり吐いたりする際に悪化する痛みなどがあります。
- 呼吸困難:息苦しさや、浅い呼吸しかできないなどの症状が現れます。
- その他の症状:咳、動悸、めまい、肩こりなど、様々な症状が現れることがあります。
症状は人によって様々ですが、上記のような症状が現れたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。
3.自然気胸の原因
自然気胸の原因は、主に以下の2つに分類されます。
- 原発性自然気胸:特に原因がなく起こる自然気胸です。20代前後の男性に多く、肺の表面にできる薄い袋(ブレブ)が破裂することが原因と考えられています。
- 続発性自然気胸:肺気腫や間質性肺炎などの肺の病気によって起こる自然気胸です。
その他にも、喫煙、Marfan症候群、Ehlers-Danlos症候群などの原因が挙げられます。
4.自然気胸の治療法
自然気胸の治療法は、症状や原因によって異なりますが、主に以下の3つの方法があります。
- 安静:軽度の自然気胸であれば、安静にして様子を見ることで、自然に穴が塞がり、肺が膨らむことがあります。
- 胸腔ドレナージ:肋骨の間に針を刺し、溜まった空気を抜く方法です。
- 手術:肺の穴を塞ぐ手術です。再発リスクの高い場合や、胸腔ドレナージで改善しない場合に適用されます。近年では、胸腔鏡を用いた手術が主流となっています。胸腔鏡手術は、従来の手術よりも傷が小さく、侵襲が少ないのが特徴です。
5.自然気胸の予防
自然気胸を完全に予防することはできませんが、以下の点に注意することで、発症リスクを減らすことができます。
- 喫煙をしない
- 規則正しい生活を送る
- 適度な運動をする
- ストレスを溜めない
6.胸痛や息苦しさを自覚した場合には
自然気胸は、適切な治療を受ければ、ほとんどの場合治癒することができます。胸痛や息苦しさを感じた場合には、早めに当院へご相談ください。