高尿酸血症
1. 高尿酸血症とは?
尿酸とは?
尿酸とは体の中にあるプリン体という物質が分解されてできる老廃物です。プリン体は、細胞の材料やエネルギーの元になる大切なものですが、使い切れなかったプリン体が尿酸になります。尿酸は、血液に乗って体中を巡り、主に腎臓から尿と一緒に体外へ排泄されます。しかし、排泄がうまくいかないと、体内に溜まってしまうことがあります。尿酸値が高いと、痛風という病気の原因になりますから、定期的に検査をして、適切な対策を取ることが大切です。
高尿酸血症の定義
血液中の尿酸が7.0mg/dLを超えると、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症は、痛風や腎臓結石の原因となるので、早めに治療することが大切です。
高尿酸血症の原因
尿酸はプリン体という栄養素が分解されてできる物質です。プリン体は、肉類や魚介類、豆類などに多く含まれています。高尿酸血症になるには、プリン体の摂取量が多いか、尿酸を排出しにくいかのどちらか、または両方が原因となります。プリン体の摂取量が多い場合は、食生活を見直すことで改善できます。尿酸を排出しにくい場合は、病気や薬の影響などが考えられます。
2. 高尿酸血症の症状
無症状
- 多くの高尿酸血症患者は無症状
痛風
- 尿酸が結晶化し、関節に沈着することで起こる激しい痛み
- 足の親指の付け根に起こりやすい
- 発作的に起こり、数時間から数日で治まる
- 繰り返し起こると、関節が変形することがある
尿路結石
- 尿酸が結晶化し、尿路に石ができる
- 激しい痛みや血尿などの症状がある
腎障害
- 慢性的高尿酸血症が続くと、腎臓を傷つけることがある
- 進行すると、人工透析が必要になることもある
3. 高尿酸血症の検査
血液検査
- 血清尿酸値を測定する
尿検査
- 24時間尿酸排泄量を測定する
4. 高尿酸血症の治療
生活習慣の改善
- プリン体が多く含まれる食品を控える
- 適度な運動をする
- 減量する
- アルコールを控える
薬物療法
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、痛風発作を繰り返す場合は、薬物療法が必要となります。
- 尿酸を排泄する薬
- 尿酸の産生を抑制する薬
5. 高尿酸血症の予防
プリン体が多く含まれる食品を控える
- 肉類:レバー、あんこう、ハツ、鳥レバー、豚タンなど
- 魚介類:イワシ、サンマ、サバ、ニシン、白身魚など
- 豆類:乾燥エンドウ豆、大豆、納豆など
- アルコール飲料:ビール、日本酒、焼酎など
適度な運動をする
減量する
禁煙する
6. まとめ
高尿酸血症は生活習慣病の一つです。無症状のことも多いですが、痛風や尿路結石、腎障害などの合併症を引き起こす可能性があります。検診などで高尿酸血症を指摘された方は当院までご相談下さい。